sutomajo's blog

可愛い女の子のブログです

劇場版「Wake Up, Girls! 七人のアイドル」見てきたので感想及び妄想

公開最終日に駆け込んできました。感想としてはまず、行ってよかった、ということです。これによってテレビシリーズをより楽しめそう、という予感を得ました。テレビシリーズから独立した一つの作品として評価することはできません。前日譚というよりは0話、ってな感じでした。この記事の主な目的は、劇場版の内容を思い出しながら適当に創作も混ぜて、メンバーひとりひとりについての理解を深めていくこと、そしてその上で、その人間模様をつぶさに、百合展開への期待という野心をしばらく脇に置きつつ追っていこうというものになります。

 ※公式サイトのキャラクター紹介画像を一枚にまとめましたので参考にしてください。
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sutomajo/20140124/20140124004302.jpg

Wake Up,Girls!は7人から成るアイドルユニットです。えっ意外と少ない! もっと、例えば9人くらいいるもんだと思ってました。だってアイマスラブライブも9人ですよ。

7人ということは、ステージに立った時にはセンターに一人いて、両脇に3人ずつ並ぶという格好になります。クリスマスライブでは、
 岡本、七瀬、菊間、島田、林田、久海、片山

の順に並んでいました。これを、年齢順に並べ直すとこうなります。
 菊間、岡本、七瀬、島田、林田、片山、久海

背の順は年齢と同じ並びでした。バストサイズはというと、
 菊間、岡本、林田、島田、久海、片山、七瀬

後は体重くらいしか数字がありません。
 菊間、岡本、島田、林田、七瀬、片山、久海

1話でマネージャー松田がメンバーに集合をかけた時の松田の視点から見た席順。
 岡本、片山、林田、島田、菊間、久海、七瀬

もう僕が何を言いたいのかわかりますね。島田真夢(まゆ)がいかにセンターにふさわしい中庸の人物であるかということです。これは偶然ではないはず。ちなみに1話で松田が集合をかけた時、というのは、松田が胡散臭い業界人のパチモンに引っかかりかけていた時のことで、松田の楽観的な戦略にノリノリな左3人と慎重な右3人という形で対照的な画面構成のシーンでした。(画像の上段、中段)
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/sutomajo/20140124/20140124010501.jpg

この一連のシーン中、島田のセリフはたった一言、林田からの問いかけに「うん」と頷いたのみ。しかしそれまでの間に島田がある種の表情を持たせて描かれたカットは3度入り、うち一回は事態を傍観する島田の静止画を大きく7秒間も捉えた(=下段)ものでした。これは主人公にセリフを与えないことによって、逆に印象深さを持たせる演出です。(林田までもがノリノリになっているように描かれたのは単に画面のバランスを取るためであって実際には林田は島田に近くもう少し落ち着いた性格であると思われる;久海、七瀬はその意味で落ち着きが少々無い)

アイドルアニメの主人公として島田真夢がどのように新しいかというと、もちろん、天賦の才を持っている、みたいな身もふたもない設定は他と同じなのですが、とりあえず、何にも考えずに笑ったりしない人間であるということでしょうか。

そういえば劇場版によると、Wake Up,Girls!は松田のスカウトを当初拒み続けた島田を除いた6人で結成され始まったのでした。それがある日、丹下社長が突然事務所のお金を持って姿を暗ましたことで、予定されていた初のライブステージには立てなくなり、早々の解散さえ危ぶまれる事態となったことをきっかけに、林田の同級生でもあった島田が自ら志願して加わることで現在の形となった、ということです。その丹下社長が、はじめのはじめ、島田を除いた6人の書類審査の時点で「…センターを張れる子が足りないわ」というようなセリフを残していたのはなんというか、結局あの女社長は憎めない人だなという感じです。 

島田真夢(まゆ)はその実力とキャリアのために加入後すぐセンターとなりますが、先述したように口数は少なく、率先して周りを引っ張っていくようなことはしないようです。「そうさせただけの過去が彼女にはあるのだろう」というこの微妙な距離感は我々視聴者だけでなく、2話時点ではWake Up, Girls!の他のメンバー達も同様に感じていることなはずでしょう。林田くらいは聞かされたりしてるんでしょうか。いや、聞かされていないと予想します。外れるかもしれませんが…。

その林田。彼女は元々島田と友人関係にあったわけではありませんでした。たまたま松田のスカウトを受けたタイミングと、同級生の島田さんはかつて東京でアイドルをやっていたらしい、という噂を耳にしたタイミングが重なったため、相談に乗ってもらって、…という展開です。「こんなこと、島田さんにしかお願いできないことだから…」「島田さんも、(アイドル)やればいいのに、って思う」…確かこんな感じの事を劇場版で言ってたと思います。この二つ、I-1 Clubを辞めて仙台に逃げ出してきてからずっと独りぼっちだった島田真夢が言われて嬉しくないわけありません。この時点では島田は相変わらず松田のスカウトを拒み続けていたのですが、林田が練習に励むのを見て、それはそれで心底応援したに違いありません。そして同時に、また別の感情も…。(ここで「別の感情」と聞いて何を連想しますか。もちろん正解は「また私もステージに立ちたい」という思いのことです。百合を期待してここに恋愛感情を連想することも可能ではありますが、もしそれを選んだ場合には、丹下社長の持ち逃げ後Wake Up, Girls!が復活することはなかったでしょう。)

ああ、後、歌のトレーニングと言って二人でカラオケに入るシーンは耳が痛かった。僕が昔初めてカラオケボックスに入った時も、あんな感じで恥を晒したものでした。

1話では島田が林田の家(和菓子屋を営んでいる)を訪れるシーンがありました。「えっ、そんなのあったっけ」って感じですが、あったんです。劇場版を見ないままあの1話を見た時はほとんどキャラの印象残りませんでしたが、逆に劇場版を見た今1話を見返すとなかなか情報量があることが分かります。このシーンでは特に、「事務所、行ってみる?」「すぐそこだし、行ってみよっか!」の空気感に萌えます。直前の会話の結びで2.5秒くらい映る島田の微笑んだ横顔の印象がこれに繋がっているのでしょう。…って、林田の紹介のつもりがいつのまにか島田の話ばっかしてますね。まぁ、林田とは現状そういうものです。

島田、林田の次に誰の話をするかで残りの順番も自動的に決まる気がします。そう、それは、久海菜々美ちゃんについてのお話です。

久海菜々美。中学2年。13才。豪邸に住み、趣味はピアノ。ヅカファン。「アイドルは私にとって通過点に過ぎない」とアイドルになる前から豪語する最年少メンバー。劇場版においては丹下社長の持ち逃げが発覚した時、「あ~あ、今まで時間、無駄だったわ!」みたいなことを言ってのけ、消沈ムードのメンバーと我々をドキリとさせました。「これ、私たちブレイクしたら絶~っ対お宝映像になりますよ!」とする岡本に「ブレイクすればね!しなかったら、黒歴史になるとか!」と応じ、すぐに入った菊間のフォローがなければちょっと不味い空気になってたことでしょうし、その髪型含め、あんまり可愛いもんじゃありません。

でも、こういう子が一人いないと面白いものも面白くなっていかない気がします。特にアイドルユニットなんていう、集団が成員を強く公的に拘束し、メンバーもまたその集団の成員であることに強く依存するような、そんな集団においては、こういう厄介者を手懐けていく中で一つになっていくものがあると思います。

島田を基準に考えて、久海は年少組にあたります。まずこの条件だけを見たときに考えられるカップリング――という言葉を本当は使いたくないのですが――は二つ、すなわち、年少組同士ということで中のよさそうな片山実波との関係、及び、お目付け役として人情の厚そうな菊間夏夜との関係です。片山と仲が良さそう? 悪そうの間違いじゃないのか? と思った方、鋭い。天然でマスコット的存在で、3人の老人と食卓で長時間お喋りできるようなタイプの片山と、親の帰りの遅そうな豪邸でずっと独り、宝塚のDVDばかり見て育った久海の、馬が合うかと言われれば、それはちょっと考えにくい。同世代であるということが、逆に軋轢を生むような予感がします。

それでいいんです。むしろ、そういうところからこの二人の物語は始まります。僕にその一部始終を創作して語る能力が無いのが惜しまれますが、事件の発端のシーンとして、それは例えば練習スタジオでのこと。久海がいつもの調子で発した何気ない嫌味に対して、片山が目を伏せて何かひどいことを言い返すシーンが思い浮かびます。「なっ…」とか言って驚く久海、並びに他のメンバー。菊間はその筆頭でしょう。5歩くらい後ずさりした久海は、ハッと息を呑みこんで背を向け、走ってスタジオを出て行ってしまう。その場で俯いたままの片山に声を描けようとする菊間。片山は「ごめんなさい…」と行って床に数滴の涙を落とす。「今日はもう、失礼します…」

その場にいたのは年長組、すなわち、菊間、七瀬、岡本の3人でした。島田と林田はどこかデートにでも行っていたんでしょうか。3人の(オロ…)みたいなカットを挟んでCMに入ります。

CMが明けると、そこは久海邸。久海は物置きから、まだ新しいアルバムのようなものを引っ張り出してきたようですが、写真の中の彼女に比べるとその表情は重く沈んでいました。久海には、さっき片山に言われたその言葉に聞き覚えがありました。というのも、片山の言ったのとほとんど同じセリフを、写真の中の菜々美の隣でずっと静かに笑っている、かつての菜々美の大親友に言われたことがあったのです。

一方の片山はというと…。片山実波は歌っていました。片山は、悲しい事があるといつも歌を歌うようにしていました。老人達はいつまでもそれに付き合ってくれたのです。老人達はあえて何も聞きません。実波の歌を14年間ずっと聞いてきた老人達には、言葉にしなくても歌うことで全てが通じたのです。

果たして、二人を和解させたものは音楽でした。二人が衝突した日のすぐ翌日に、実波の方から提案したものです。「ななみんのお家、行っていい?」

「うわーすっごいお家だねー」、とか、「そ、そんなこと…(気まずい…)」、とか、そういう感じで久海邸に入っていくんです。両親は今日もいません。広大なリビングにグランドピアノを見つけると、実波は「ねぇ、伴奏、してくれないかな」と手提げかばんから童謡や唱歌のピアノ伴奏集を取り出し、手渡します。「それのね、○○ページ。『ケンカのあとは』っていう曲」「……」

   ケンカのあとは かなしいな
   なみだがいっぱい こぼれちゃう
   ほんとはとっても すきなのに
   きらいだなんて いっちゃって

   ほっぺにチュ ケンカのあとは
   ほっぺにチュ ケンカのあとは
   ほっぺにチュでも ちょっとはずかしい
   ほっぺにチュ ほんとはすきだから
   ほっぺにチュ ほんとはすきだから
   ほっぺにチュでも ちょっとはずかしい

「…ちょっと!」 「何」「何この曲!」「『ケンカのあとは』だけど」「そうじゃなくて!」「…」「…あんた」

「…ねぇ」「な、何」「ほっぺに…」「!、しないわよ!」「…」「(目を逸らす)」

「ほんとは、すきだから。ななみんのこと」「…」「だから、ゆるして」

「…そんなの、こちらこそ、でしょ」「…」「私こそ、これからは…その…」

「嬉しい」(ここで目が合う)「「…ねぇ」」「はっ…」「…ふふ」…

というのはどうでしょう。長くなりましたが久海と片山については以上。残るは年長組3人。ですが、岡本未夕については前回にたくさん触れたような気がしますから割愛します。というか、岡本未夕だけはなんか簡単にカップリングみたいな語り方では捉えられないというか、菊間夏夜についで二番目に年長なのに最年少の菜々美にさえ敬語で接したりとか、「素」の岡本を見るのにもうしばらく時間がかかりそうな感じなので、正直手におえないという感じです。

残る二人、ぬわああああああんもう疲れた、菊間夏夜と七瀬佳乃は年長組とはいえ胸囲に15㎝の差があるよ!!!終わり。 また今度触れる機会があると思います。。。